特に「美的」価値観ってのは、そこまでズレないと思うのですが。


価値観って便利な言葉が有ります。「価値」ですね。
「欲しい」「嬉しい」ですね。
例えば完全に「2極」に分かれる価値ってのも中にはありますよ。
例えば「遊園地」なんかそうですね。

まぁ遊園地は誰だって楽しいだろ？！って意見が有りますよ。
でも、それって「完全な個人の意見」であって、そう思ってない人も
存在するんです。曖昧な感覚の人も多いです。
しかしそこに「条件」を与えて上げると「明確に」価値判断が
出来たりします。
遊園地であれば「混雑具合」「料金」で判断できます。

どれだけ楽しくても「3時間も並ぶ」とか入園料金が1万円だったら
どうですか？私は一生、ディズニーランドに行けなくても1ミリも
悲しくないです。ぞっとします。
全く無価値に感じます。
これですよ。

ラーメンが美味しいとか、まぁ不味いってことは無いと思いますが、
好きだとか嫌いだとかってのは「味以外の情報」「付加価値」で
判断するんです。寒空で1時間も2時間も待たされるとか、
店の雰囲気が滅茶苦茶悪いとか、1杯が1000円も1500円も
するとかですね。だったら他のを食うよっていう人が沢山います。

美的な価値観ってのも「付加価値」で変わってくる場合が有ります。
例えばブランド物の服です。
何処のブランドかも分からない、タグも品質表示も付いていなければ、
正直「良いのか悪いのか」すら判断できない人が殆どじゃないでしょうか。
私は、それくらい「日本人」の美意識は低く、低俗なレベルだと
思っていますね。違いますか？

街を見渡して「洒落ている」人が、どれくらい見つかりますか？
みんなが「UNIQLO」に行くからUNIQLOで買えば良いやって
感じじゃないですか？安い方が有難いはずなのに、安物ばかり
売っているブランドや店舗の物は全く根拠もなく「毛嫌い」しませんか？
「あれ、ダサいから」って思ってませんか？
思いますよね？だって日本人なんだもん。

その「誰もが利用する店」に入っても「色」も「カタチ」も自分では
選べない。選んでも「間違っている」、自分の「カラー」を知らない、
知ろうともしない、理解できないですよね？
美術館になんて行かない。だって、行っても「意味が分からない」
良いのか悪いのか、凄いのか、一体何が凄いのか1ミリも理解
出来ないですから。

モナリザの何が凄いって、「何億円」もするからっていう理由以外、
一切何も分からないはずです。そういう教育ですし、そういう環境で
大きくなったんですから。
実に空しいです。

私は「デザイナー」という職業です。建築に特化してます。
建築家ですね。
今日の話題について考えると「絶望感」だけしか持てませんね。
だって、全く「美的価値が理解できない」人たちに死ぬほど拘って、
設計、デザインをして提案するんですから。それで対価を得ようって
話ですからね、実に不毛というか「儲からない」商売だなって
話ですよ。一番馬鹿なのは私ですね。

「カッコいい」って言いますよね。
実は先日、東京で仕事が有ったんです。渋谷で待ち合わせ
だったんですが、私の前に「ランボルギーニ」が2台入ってきて
並んだんですよ。滅茶苦茶カッコ悪かったです。
ペシャンコで「だんびろ」。昔のカウンタックなんかとは比較に
ならないカッコ悪さでしたね。比率が丸でなってないんですよ。
ただただ車高が低ければカッコいい、車幅が広ければカッコいい
という、全く「根拠」に乏しいデザインだと思いました。

運転手も下品な奴でした。金持ちは良いも悪いも「高い車」だから
買って乗ってるんですよね。まだフェラーリの方がカッコいいです。
でも普通に売っている庶民が乗る車でも「なんで」こんなクソダサい
デザインなんだよ....って辟易するものばかりです。
全部同じだし。
で、みんなそんなドングリの背比べみたいなデザインの車を
「これがカッコいい」とか「こっちの方がカッコいい」とかムキになって
言い争って、馬鹿みたいな値段で買って乗ってんですよね。

カッコいい訳ねーだろうがと落胆します。もう全部ダサい。終わり。
建築のデザインも全く同じですね。
そこらに立ち並んでいる建物には「根拠」が無いです。特に住宅ね。
屋根の形状って、モロに根拠の塊の表れなんですけどね。
片流れとか多用している住宅屋、マジでやばいとか思いますね。
それ「で」良いのか、それとも、それ「が」良いのか...
なんだか仏門にいるような気分になります。


ズタボロで滅茶苦茶カッコいい