2015年11月13日

矩形図(矩計図ですね)

書いてます。
矩形図。(矩計図ですよ)
「カナバカリズ」って読むんですよ。変な名前。
「クケイズ」ですよね?普通の人が読めば。

矩形ってのは長方形のことを言います。
矩ってのは「直角」を意味しています。

カナバカリってのは当て字ですね。
「かねを測る」って意味を当てたんですね。
直角を測るってんじゃないんですよ。
「断面」の寸法を出すって意味なんですね。

ん?私、これでも建築士でございます。
たまにはインテリちっくな事を記述しておかなければ、
輩なオッサンなイメージだけが定着してしまうのでね。

建築を計画するのには「平面計画」と「高さ計画」が
必要ですよね。何階建て?だとか天井の高さは?だとかって。
もったいないから10階建てにしちゃえ!!ってな訳には
簡単には行かないんですよ。
「構造強度」、「法規」の問題がありますから。
そして「コスト」の問題もね!

つまりは平面計画、住宅で言えば「間取り」が出来ても
建物の「高さ方向」の「数字」が決定しないことには、
その先には全く進めない訳なんでございます。

沢山の設計図を書く訳なんでございますが、中でも
矩形図(矩計図)は重要な設計図なんでございます。
昔は、大工は指矩(さしがね)と矩形図があれば家を
建てる事が出来た、なんて言いました。
もちろんオーバーなんですが、それくらい矩形図は重要だと
いうことを言っているのです。

さて矩形図(矩計図ね)は様々な事を「教えて」くれる設計図です。
あまり詳しく記事にしても一般の方には「さっぱり」な
事ばかりなので、やめときますが。
建築士は間取りが決まったら、さて「それをどうやって作るか」
考え始めます。
私のような優秀な建築士は間取りを考えているときから
「構造」をイメージしています。
三流以下の免許を持っているだけの建築士は間取りを
考えられても「構造」は全く作れません。ホントに。

2階建ての上下階の壁の位置も柱の位置も「バラバラ」。
素人の施主の言いなりになって、部屋を「並べるだけ」の
設計という作業をしている建築士、建築家様の多いこと。
全部が満遍なく満たされるなんて難しいんですけど。
高耐久だなんて威張って言ってる家の「耐力壁」が、
笑っちゃうような位置についているなんて普通にありますよ。

2階建てまでなら厳密な構造計算の根拠の提出を求められていません。
だから悪く言えば「テキトー」なんですよ。マジ。
壁量計算 といって、筋違(すじかい)に代表される
「地震や風圧に役に立つ壁」の「数量」と、
その「位置」さえ検討されていれば、建築許可が下りちゃうんです。

2階の耐力壁が「たすき掛け」の筋違が双方から立っているのに、
その下の階には柱が無い!!とかってね。
地震が来れば梁を、へし折っちゃうかもしれないのに...

私の師匠は、まったくデザインが駄目な人でした。
もうダサダサ!!!!
先生も自分で言っていたから、私も平気で言いますけどね(笑)
私が駆け出しの頃なんて毎日「喧嘩」でしたね。
私が考えた意匠を、ことごとく「駄目だし」(笑)
「こんなんじゃ家にならねー」とかね。

私は最後には切れて「それを形にするのが技術屋の仕事だろーが!!」と
先生をどやしつけましたね(笑)親子みたいなもんです。
その先生が、とにかく「丈夫」、とにかく「ノンクレーム」を
第一命題に上げていましたね。
この歳になって、ようやく意味が分かりますよ。

まぁ回顧録は、このあたりにして。
矩形(矩計図)を書くのは非常に面倒です。私は「丸二日」かかります。
相当に乗っていてもね。3、4日掛かるのは普通です。
嫌いなんですけど好きなんです。
矩形(矩計図)は「いつから」断面詳細図と「一緒」になっちゃったんですかね。
先にも書いたように矩形図(棒矩計図)は「寸法」を知るための図面です。
基本「高さ」の。

仕上げの厚みは「仕様書」に書けば良いですし、私は
「施工図」と「基本設計図」は分けて書くべきだと超強力に
考えている建築家ですから。
断面詳細図は必要ですよ。でも部分詳細図を書くべきなんです。
1/20とか1/30なんて小さな縮尺で書いた「ベランダの立ち上がり」に
ついてなんて大工が見るわけないんです。
防水屋だって、結局は「直接確認」してきますから。
書いてあるのに!!!

行政の為に書いているんですよね、最近では。
でも先にも書いたように、矩形図を書くときは「もう出来るとき」
なんでございます。
そうです。間取りが決まったら梁の検討をします。
大小の梁が掛かっても希望する天井高さになるのか?とか、
排水の経路は確保できるのか?などを検討するには一発で
目視でき、「感覚」で設計するこの出来る矩形図(矩計図)を書くことが
寛容なのです。

私の場合、矩形図を書いているときは、終わりを目指している時です。
「確認作業」ですね。断熱材、屋根葺き材、基礎の構造など、
それまでに検討してきて、平面図に書き込んだものが
「いよいよ建築できるぞ」という瞬間「安堵」の時に向かって
いることを指しています。

矩形なんて、正直「マイ矩形(矩計)」ってのを建築士なら皆持ってます。
私は、キリが良い数字が好きなので階段の「蹴上」を20センチにして、
上がり切り14段の「階高2800」てのがデフォルトですね。
「踏み面」も2間幅に上手に割り付けられるし。
ですから、矩形図(矩計図)なんて常識過ぎて「誰も見ない」って図面なんです。
恐ろしいですね。
一番大事な図面を見ない。

行政も提出を求めていますが、意味有るんでしょうか...
立面図だけで十分ですよね。横架材間距離だけ書けば良いんだし。
配置図だって出してるんですから。
でも、もし連中が「いらない」って言っても私は書きますね。
建築家なら書きませんか?
だって「終わり」目指しているんですから。
誰だって自分の「確認作業」をしませんかね。

私は自分に自信が無いので、常に何度も何度も確認しますね。
怖いんです。
やればやるほど建築って怖いなって思うんです。
安心したいんです。これで良いんだって。
だから書くんです。私は。矩形図(矩計図)を。
矩形(矩計)。
基礎の根入れ深さ、立ち上がり。
土台の上端、1階床の高さ。
2階の床の高さ。軒桁の上端、最高の高さ。
それだけ分かれば良い矩形。

断面図や展開図では伝わらない、リアリティ。
それこそが矩形図(矩計図)の存在意義だと私は思っている。
そしてその「伝わりにくさ」こそ、専門家のための「航海地図」だと
私は思っている。
私が矩形図(矩計図)を書いている時は、船出の準備をしている時なのだ。
多くの生命を共にした航海なのだから。

※矩計図を「矩形図」と打ち間違えて記事にしました。
大分前にご指摘いただいたんですが。
記事を削除するには熱く語っているので(笑)
追記しました。んで、最近ちゃんと辞書に「かなばかりず」って入力すると
矩計図って変換するようにしたので直しました。


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Posted by アーバンギア at 23:42│Comments(3)建築
この記事へのコメント
矩形図でなく矩計図な。
熱く語る字が違うなんて。。。
Posted by 字が違う at 2017年06月03日 14:21
字が違うさん:

ホントですね~!!仰るとおりです。
「矩計図」は「かなばかりず」とタイプしても変換してくれないので、
クケイズと入力する癖があるんです。
すると矩形図と変換されるので、まぁろくに見もしないで
アップロードしてしまうという。お恥ずかしい。

きっと字が違うさんは建築士なんですよね。
だったらお分かりいただけると思いますが、普段「矩計図」とは
書いたり、タイプしたりする機会って無いですよね。
文字を登録しろって言われますよね(笑)
忘れないうちに今すぐ登録しておきます。ご親切にありがとうございます。

そうそう、今度は記事のことについても何か書き込んでください。
楽しみにしております!!
Posted by アーバンギアアーバンギア at 2017年06月03日 20:59
≪…「矩計図」…≫に暗黙に了解できる重要な要素は、垂直性(重力)
自然数の創生過程を[ながしかく」(自然比矩形)で観る絵本にも重力作用の要素
カテナリーが暗黙知されている。

『HHNI眺望』で観る自然数の絵本あり
有田川町ウエブライブラリー 「もろはのつるぎ」 
Posted by 式神自然数 at 2020年07月16日 16:10
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矩形図(矩計図ですね)
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