2023年06月24日

柱すら入っていない3階建

絶句とは、まさにこのこと。


リフォームの現場を見てきました。3階建てなんですけど、
凄い古い家だし、もう見るからに「適当」感が出てるんです。
初めて家の中に入った瞬間から「やばさ」を感じました。
私も「ベテラン」の領域ですね。

床が傾いているなとか。壁も通っていない感じは有ったんです。
案の定、床は傾いていました。っていうか家が傾いてる。
驚いたことに北側一面の壁には「管柱」が入っていない。
腐った柱、腐った梁、腐ったべニアなんかが目に付きました。
あと、断熱材は完全に終わってましたね。

軸組も「ちょろすぎ」て、建物全体が、ヘロヘロなイメージです。
良く建っていたな。そういう印象ですね。
施主は素人なので、表面的な「こうなっていたら良いな」ってのを
工務店に伝える訳ですよね。
で、工務店は根拠に乏しい「適当な」工事をやって、
「ほれ!言われた通りにやったぞ!!」ってな具合で工事を
やって、終わりにしちゃう。

手を抜いている感覚は、あんまり無いです。知らないだけ。
あくまで「適当」なんです。「勘」ですかね。
そんな建物が世の中には死ぬほどありますよ。
古い建物には多いです。東京は多いですね。
リフォームの物件は、マジでヤバいのが多いです。倒れるって。

借金でやって無いのが不味いです。検査なんてやらないです。
やっぱ住宅ローンって良いんですよ。
まぁでも昔の公庫の奴は酷いのが多いです。
中間検査が無い市町村は、ヤバいのが多いですね。

で、問題なのが「建築基準法」なんですよ。
ヤバイ建物を少しでも「良い感じ」に直したいのに、工事をやっちゃ
駄目だとかって法律に定めちゃうんだもん。
既存不適格の部分を残しておいても銀行ローンが下りるような
スキームを作ってあげなきゃ、違法っていうよりも「ヤバイ」
建築物が残り続けちゃうんですよね。

崩れるとか、燃えるとか、倒壊するとか、手抜きに「脱法建築」
なんていう、有っちゃ駄目っていうやつです。
本日は、ビンテージマンションのリフォームの案件の現場にも
お伺いしました。こっちは躯体がしっかりしているので、
色々な可能性を試せそうで、面白そうな感じでしたが。

いずれにしても我々「設計者」としては、安心して「まともな」
暮らしができるっていう「当たり前」で「最低限」の計画を
実施したいなって思いますね。そこからですよね、普通は。
まぁでも「金」の掛かる事なので、ため息をつくことが多くなりますね。
参りましたね...

柱すら入っていない3階建
少し時間が有ったので、倅とジョサイア・コンドル設計の古河邸を見てきました。


建築家 本多 信章さんの家づくりプロフィール

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Posted by アーバンギア at 23:49│Comments(0)建築
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