2012年01月21日

インテリアラーチ

雨ですね。
雪が降るのかと怯えていましたが。
なんとかこのまま雨で終わって欲しい今日この頃。

昨日ブログに書いたとおり、今日はHPの見直しを
本気で行っております。
HPを作るには「気になること」ってのがいくつかあります。

作るからには大勢の方に見てもらい、少しでも
私の仕事に興味を持っていただいて、問い合わせが来るように
ページの構成をしなければならないからです。
そこで役に立つのが「アクセス解析」。
eしずの管理機能は正直「イマイチ」で、詳細な解析内容の
取得には役立ちません。
私のHPはYahooがホストなので、そちらの情報や他のブログなどの
情報を元に色々と考察してみました。

さてどーでもいい(良くないね)ですが、私のサイトに訪れる方の
「検索キーワード」は?大変に興味があることです。
eしずの検索キーワードや他のブログサイトでの結果とは
相違があるのですが、必ず上位に入ってくるのが「ラーチ合板」

インテリアラーチもあります。
これはまぁ所謂「ベニア」のことなんですが。
ラーチとは木の種類で「欧州唐松」のことを言います。
針葉樹ですね。建築には多く使われる木です。
一般的な用途としては「下地用」です。家具やフローリングにも
使われますが、そういった「美観」を大切にするには
「良い所」だけを使うわけで、残った「イマイチ」な部位は
捨てるのではなく「積層材」として使われ、又そのイマイチな
部分の方が「圧倒的に」多いので、それらが市場の大多数を
占めているという実情です。

さてこのラーチ。木目(板目方向です)が大変に美しい!!!
ダイナミックで「これぞ木目っ!!」って表情が特徴です。
インテリアラーチとは、この美しい木目を利用して
内装材に「転用」したものを言います。
あくまで「転用」です。つまり構造用合板を製造する過程で
「おいおい、こりゃー下地にゃもったいねーべよぉ」ってのが
出た場合にストックして、極々少数市場に出回る代物なので、
普通に建材屋に電話で注文しても手に入りません。
手に入った時代もあります。 今は無理です。

私は、このラーチの木目が好きで通常「壁天井止まり」のものを
床や外壁にまで使用したことのある、
建築家界の中でも「馬鹿野郎」のトップクラスの実績を持っています。
なぜこのラーチ合板を床や外部に使用することがタブーなのか?
以前のブログ記事をアーカイブして欲しいと強く思いますが。

とにかく「弱い」事が第一の理由です。
積層材の特徴として「反り易い」「剥がれ易い」が、あります。
だから「下地」に使われるのです。
積層材の一枚一枚は大変に薄いものです。
そこに雨が当たる。湿気を帯びる。
そして日が当たる。表面は乾燥して繊維方向に収縮します。
反って当たり前なのです。床に使用するときも素足で歩こうものなら
棘が刺さって、大変に危険なのです。

それでも私はラーチの木目を生かした表現をしたかった。
そこで何年も実験をした。アイデアも出しまくった。
それでも失敗を何度もした。クレームの対応を「自費」で、
自らが現場に赴き対応した事も何度もある。

なぜラーチ合板でのアクセスが毎日のようにあるのか?

それは興味があっても「大丈夫なのか?!」「誰かやってるのか?」
ということを「専門家」が検索しているからに他ならない。
悪いことは言わない「止めときなさい」である。
大変な労力と金をつぎ込んで苦情が来たんでは
何にもならないんである。

もしラーチ合板のことで知りたいことがあれば、
お気軽に問い合わせを頂きたい。
一般の方でも設計事務所の方でも、どーぞどーぞなんである。

ネタばらしになっちゃうけどHPのタグにラーチを埋めるってのは
絶対にやりますけどね。

インテリアラーチ

これはピロティの天井です。オイルステンを塗って拭き取ることで
力強い木目が協調されます。黒は尚更ですね。



建築家 本多 信章さんの家づくりプロフィール

URBAN GEARのホームページです

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Posted by アーバンギア at 16:25│Comments(6)建築
この記事へのコメント
こんにちは、はじめまして。
突然のメール失礼いたします。
しんや(40)と申します。

先ほどpcにて「合板」を検索中、
こちらのブログに出会いました。

特に「インテリアラーチ」の内容は大変興味深く面白かったです。
私もラーチ合板の木目、コストに魅力を感じ、
DIYで壁の仕上げとして貼ろうと計画中です。
ただ、ブログ最後の「悪いことは言わない、止めときなさい」には
少なからず衝撃を受け、ちょっとへこんでおります。
そこで、もしよろしければ何かアドバイス(できれば前向きな、、、)
いただければと思い、おもわずメールお送りしてしまいました。

恥ずかしながら、以下、その計画です。

●まず、当方木工素人です
●自宅6畳和室(壁はプラスターボードに砂壁風クロス)
●真壁の柱と柱の間に下地としてサンを組み、
●その上に9ミリ厚のラーチ合板(普通の構造用で、比較的板面のきれいなもの)を
●できるだけジャストサイズで、ボンドばり+ビス止めしたい
●あまりクリアランスがとれず間柱が組めないところは、
直接ブラスターボードにボンド貼りするつもりです。
●板面はサンダーがけ、もしかするとステインで薄く着色するつもり

以上、長くなってしまいました。
スミマセン、よろしくお願いいたします。。。
Posted by しんや at 2013年08月08日 19:13
しんやさん:先ほど直接メールでお答えしておきました。
頑張ってDIY成功させてくださいね。
Posted by アーバンギアアーバンギア at 2013年08月09日 23:45
こんにちは。はじめまして。
突然メール失礼いたします。

私は、静岡市清水区のデザイン事務所の者です。
皆様と同じように、インテリアラーチを検索中に、アーバンギア様のブログに
たどり着きました。

今回お聞きしたかったのが、言うまでもなくラーチ合板の事です。
弊社は、いまとあるアパレルメーカーの新規出店の為のカウンター什器の
設計と製作を受けています。

そこで、施主様よりご依頼があったのが、ラーチ合板を化粧にしたカウンターです。しかし、下地材のままでは使えないので、木工所にてサンダー処理するのですが、今悩んでいるのが節の問題です。

洋服に引っかかったり、怪我もしやすいのでという事で、
ゼロがベストですが、極力節が少ない4×8のラーチ合板を探していますが、
こういったものは入手可能なのでしょうか?

もし、差し支えなければご意見お聞かせ下さい。
宜しくお願い致します。
Posted by 有ケ谷 尚 at 2013年12月11日 16:24
有ヶ谷さん:はじめまして、どうも!
さてインテリアラーチですが。
もう少し詳細にお伺いしないとアドバイスは難しいなぁと。
あっ!アドバイスは必要なかったんですよね。
そうそう手に入るかですが。

シハチで手に入れることは不可能に近いでしょうね。
ほぼ絶望的だと思います。

作られるサイズとしては12ミリが圧倒的で、またサイズ的にも
サブロクがシェアの殆どを占めているのが現実です。
ただこれも不思議なもので、私の経験からすると12ミリの方が
綺麗なものが見つけやすいと認識していましたが、先だって
必要になって「漁って」おりましたときには、9ミリの方が
圧倒的に綺麗なものが揃いました。
ただそれもサブロクです。

おっしゃるシハチの場合、構造用としても壁に施工するもの
ですよね。相当に「どーでもいい」表面である事が普通でしょう。

ですが、やはり、これも「わざわざ」汚いからとか綺麗だとかって
理由で製造ラインに乗せている訳ではありません。
従って奇跡的に美しい表面の合板をロットで手に入れられる
可能性が無い訳ではないのです。

ですから合板屋(製造会社)に顔が利くのであれば注文しておき、
気長に揃うのを待つという手もあります。
極々たまに建築知識などの雑誌に新製品紹介のコーナーで
インテリアラーチが載りますが、問い合わせてみると、大概既に
売り切れごめん!!次はいつ出せるか分からないと言われます(笑)

什器の場合通常はアイカあたりの化粧合板を使うと思いますが。
あとはダイノックで製作ですよね。

ラーチ合板はサンダーをかけて磨くと「ささくれ」が、ガンガン
出てきます。無塗装で使うことは無理でしょうね。
表面も非常に柔らかくて傷が付くと広がって手におえません。

僕なら天板に関してはラーチの無垢を使って扉には合板でって
いう仕様でまとめますかね。正直合板は表裏のどちらかは絶望的に
汚いので、この扉に関しても余程の意味が無ければ構造用の
合板を1枚で使用するなんてことは避けた方が無難ですよ。

ローコスト目的でのラーチ合板のチョイスでしたら、それは
絶対に間違えた選択です。
唐松の無垢を張り合わせたものを使うべきです。

こんな感じでどうでしょう。

なにかあったらこちらまでどうぞ!

atelier@urbangeardesign.com
Posted by アーバンギアアーバンギア at 2013年12月11日 17:51
こんにちは。はじめまして。
突然メール失礼いたします。

私は、東京の設計事務所で働く者です。
皆様と同じように、インテリアラーチを検索中に、
こちらのブログにたどり着きました。

今回お聞きしたいのは、インテリアラーチ合板の外部使用についてです。
弊社は、いまとある店舗プロジェクトを設計中です。

そこで、内壁と外壁がつながっているような表現をしたいと考えており、
外壁にも(インテリア)ラーチ合板を使用したいと考えております。

下地(ダイライトt=12)の上に胴縁なしで
直接ラーチ合板(t=12)ビス止めし、その上に塗膜防水をする予定です。
ご意見お聞かせ頂ければ幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。
Posted by ft at 2016年03月01日 14:01
ftさん:

はじめまして、おはようございます。
僕も結構外部にラーチ合板を張りましたね。

まずですよ。
仰る壁の「仕様」ですが、構造がSかRC造ならOKですけど、
木造の店舗の場合だとNGですが、大丈夫ですよね?
もちろん延焼の部位だけですけどね。

僕は、どうせ合板が駄目になるんだし、張替えも視野に入れて
っていう理由もあって告示に従っています。
PBの上にガルバリュウムの平板を張って、その上にラーチを
接着剤で圧着張りし、フィニッシュで抑えています。

塗装は保護塗装程度、撥水塗装ですね。
ラーチの表面板は、とても薄いのでサンダーの掛けすぎで
一層薄くなっている状態です。施工して間もなくはちゃんとして
いるように見えますが、直ぐにペラペラと剥がれてきます。
ここから水が浸透してしまうと浮きや剥がれが発生します。
こうなると、そこは剥がしてしまうしか手がなくなります。

いずれにしてもクライアントが、相当にリスキーなデザインである
ことを容認していなければ、大変なことになりますから、
熟慮の上、施工してください!頑張って!!

参考にしてください↓
http://urbangeardesign.com/works/lightbox/mochizuki.html
Posted by アーバンギアアーバンギア at 2016年03月02日 09:14
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