2019年01月16日

養之如春

センター試験まで、あと2日ですね。


今日は三男の私立大学の願書を出してきました。
1校だけです。最近では「滑り止め」なる学校、もしくは
受験選択ってのは無くなった気がしますね。
うちの子供たちは目標が明確なので、兎に角「大学」に
入れれば、それで良いという感覚が皆無です。

長男は三浪もしています。私が勧めているので(笑)
私は学歴に拘りがあるようで、ありません。私自身が
高卒で結構な苦労をしているので、有る意味「学歴」が
物を言うシーンも沢山知っています。ですが、私が子供達に
強く言うのは、「仲間」「つながり」です。
やはり、それなりの学校ならば、それなりの人材が多く
集まってくるのです。その中で信頼できる繋がりを持つ
ことが出来れば、自分の夢を叶える「一助」になることは
間違いが無いのです。

先日TVで「林先生」のお話を聞く機会がありました。
彼は有名な予備校講師です。以前から彼の信条で
「一浪以上はするべきでない」という考えを知っていました。
彼は多浪して沢山勉強して受験すれば良い大学に
入れるのは当たり前だ。現時点での成果こそが、フェアな
結果であり、アンフェアな時間の使い方をしても将来に
何の好結果ももたらさないと考えているようです。
全くデタラメです。

彼は私の「二つ下」。同じバブル世代です。笑っちゃうのが
就職先が「長銀」ですからね。時代の申し子って時期も
あった訳です。そんな同世代にも関わらず、考え方が全く
逆に近いとは、これも不思議な話です。彼は学歴で得たものは
無かったのでしょう。ですが、それは東大で人脈を作れなかった
故の個人的な感情に近いものです。私が人生で得た教訓もまた
個人的な感情なのです。

ですが、今日のタイトル「養之如春」は、古い古い漢の教えです。
私も大好きな言葉です。娘の通う小学校の校長先生も
学校に有る石碑に刻まれた、この一文に深く感銘を受けたと
仰っていました。ちなみに校長先生も私と同い年です。
私は、この四つの漢字の前文が一緒になっていることに
大きな意味があると思っています。日本では井上 靖が紹介した
ことで二行目の「養之如春」が有名になりましたが、やはり
「涵之如海」が在ってこそ、養之如春に大きな意味が宿ると
思えてならないのです。

涵之如海 養之如春

これをひたすこと海の如し これを養うこと春のごとくす

こう読みます。とても上手い解釈を見つけました。
「優れた見識(判断力)というものは、学問を深め、海のように広い
文化的教養にたっぷりとひたることによって培われるものである。
また、草花が春の暖かい日差しによって自然に芽を出し成長していくように、
人が本来持っている意欲や才能をおおらかに伸ばしていけるように、
温かい愛情で導いてあげよう」

人は生まれながらの自らを研鑽し伸びようとする強い意思や才能を
持ってこの世に生を受けます。絶対にです。決して誰一人として
無能で無欲で意味の無い人生を送ることを選択して生まれてくるものは
いません。ですが、浅い知識や見識で、さも「分かったような」
「知ったかのような」能書きを平気で「堂々と」言っている情けの無い
ものに出会います。残念です。
折角、生まれ出でて、誰にも愛されない、自分のことしか気遣えない、
狭い世界で一生を終えて行く哀れな人が意外にも身近にいたりします。

之とは志のことです。
人は一旦「志」、つまり「夢」が持てれば放っておいても成長してゆく
ものです。
次男が辞表を提出してから数日が経ちましたが本日、代表から職場の
皆さんに次男が会社を退職することを伝えて頂いたようです。
次男は帰宅後、私に報告をしようと話を切り出しましたが、職場の
皆さんの温かい「激励」の言葉を紹介しようとする度に、複雑な思いが
込み上げて来るのか、言葉は、途切れ途切れになりました。
惜しまれて辞めて行くのは最高の引き際ですが、一年にも満たない、
この短期間で多くの方に可愛がって頂いたのだと改めて感じることができ、
親としては平身低頭の思いで胸の内で感謝を述べる次第であります。

私は生きるために生きるにあらずと考えて生きています。
もちろん綺麗ごとなんかではありません。生きることは大変です。
それが第一命題であっても何らおかしくありません。むしろ子孫繁栄という
ことを考えれば首長として当たり前の目標であるとも思えます。
ただ私は「個」を大切にしているんです。
とことん探求することで自らの欲望ではなく、誰かを救える希望を見出す
ことが出来ると真剣に思っています。

深く深く、限りなく漆黒に近い海水のような深遠に、そっと身を沈め、
とめどなく押し寄せる未知の教養が子供たちの凸凹を洗い流し、
やがて洗練された魂が、この世に生まれた「意味」をしっかりと理解し、
人生を謳歌して行く姿を私は想像しています。そのときには私は、この世に
存在しないかもしれません。それで良いです。母が、そうであったように。
子供たちは多くの手厚い監護で我々の未来を紡いでいってくれることを
確信しています。いずれご好意に報いる報告が出来る日がやってくると
思います。ありがとうございました。


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Posted by アーバンギア at 22:31│Comments(1)子育て
この記事へのコメント
こばたまさん:

そうそう!!こばたまさんの事だよっ!!
って、んな訳ないじゃん...
僕のブログの記事は辛らつなものが非常に多いので、
時々「私のこと?」なんて多方面から言われます。
まぁドキュメンタリーなので、本物の対象がいるんですけど、
流石にブログを読みそうな方のことは書きませんよ(笑)
実名でもないし。

で。浪人。全くお気遣い無く!僕は長男と一緒に一日を
二人きりで過ごすことに喜びを感じています。息子は本当に
学問が好きだし、実直で辛抱強いです。今時珍しい「馬鹿」が
付く程の正直者です。だから楽しんで浪人生活を送っている
ことも十分伝わってきます。もちろん仲間や親友達が
順調に進級して行く姿を見て複雑な心境になることもあると
思いますが、うちの子は俺は俺、俺には目的と目標が有ると、
全くぶれずに信念を貫いていますね。
学校なんて息子には大して意味が無いのですが、
知名度ゼロの僕とタッグを組んでプリツカーを狙うには東大か
京大を出て海外の有名なアトリエで仕事をしなければチャンスが
遠のくと考えているようです。僕も真剣にプリツカーを狙えるような
設計コンペにガンガン参加して行くつもりです。

親なので責任は感じていますが、それ以上に僕は子育てと
いうか、子供と夢を描くことを楽しんでいますね。
いつも、ありがとうございます!!
Posted by アーバンギアアーバンギア at 2019年01月19日 13:32
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    コメント(1)